
九州食肉学問所 学長です。今回は、牛肉が農家さんから皆さんの食卓に届くまでの流れを、食肉市場を見学したときの写真といっしょにご紹介します。
出荷された牛は、食肉市場へ
福岡食肉市場を見学したときの様子です。ここには九州各県から牛や豚が運ばれてきて、取引されます。

- 搬入:出荷が決まった牛は、食肉センターや食肉市場に運び込まれます。この搬入はとても大切です。牛がけがをしたり、興奮して暴れたりすると、お肉の質が落ちて値段も下がってしまいます。
- 枝肉に:運び込まれた牛は、と畜・解体されて「枝肉(えだにく)」になり、大きな部屋に吊るされます。
格付けをして、セリがはじまる

- 格付け:枝肉には、日本食肉格付協会が全国共通の規格にもとづいて決めた等級(A4など)の印が押されます。
- 下見:仕入れに集まった肉屋さんたちは、この部屋で等級の印と枝肉そのものを見て、どれを買うか、いくらぐらいまで出すかの目安をつけます。
- セリ:時間になると、別の部屋でセリ(売り買いの交渉)が始まります。コンサートホールのような部屋に、枝肉が次々と運ばれてきます。

運ばれてきた枝肉の情報は、大きな画面に映し出されます。
セリ落とした枝肉は、肉屋さんで食卓向けに

- 入札:大画面と同じ情報が、肉屋さんの手元の端末にも表示されます。買いたい枝肉の番がきたら、値段を入力してセリ落とします。ほかの肉屋さんがもっと高い値段を出せば、さらに高い値段を出すか、あきらめるかを決めます。
- 搬出:セリ落とした枝肉は搬出口に運ばれ、肉屋さんのトラックに積み込まれます。
- 加工:肉屋さんは、枝肉を自社の加工場に運び、骨を外して(脱骨)お肉のかたまり(部分肉)にします。部分肉はさらに脂や筋を取り除き、スライサーや包丁で、皆さんが買いやすいパックに仕上げて販売します。

お肉の流れは、ひとつではありません
ここでは、わかりやすいように流れを簡単にまとめました。実際には、いろいろな形があります。
- 牛を育てるところから販売までを、1社で行っている会社
- 枝肉をセリ落として部分肉にするまでを専門にする会社(食肉問屋)
- 必要な部分肉だけを仕入れて、加工・販売する会社(スーパーや焼肉店など)
枝肉の売り買いも、セリで値段を決める場合と、農家さんと問屋さんが話し合って決める「相対(あいたい)取引」の場合があります。どちらの場合も、格付けの等級が値段の大切な目安になります。
次回(第7回)は、その格付けについて、等級の見方と決まり方をお話しします。→ 牛肉の格付け「A5」の読み方
この記事は、九州肉屋.jpの連載「学問所通信」第6回(2014年6月)を、2026年に加筆・更新したものです。
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