大分県豊後大野市犬飼町 小手川豚トンファーム
九州食肉学問所 学長

九州食肉学問所 学長です。お肉屋さんで売られている豚肉の多くは「三元交雑種」という豚です。今回は、当時長くお取り扱いしていた小手川豚トンポークの農場の写真とともに、三元交雑種とはどんな豚なのか、黒豚とどうちがうのか、そして豚がどのように育てられるのかをご紹介します。

ご注意:いまの豚肉の生産者について

この記事は2014年9月当時の内容です。現在、九州食肉学問所の豚肉は「学問所ポーク」というブランドで、大分県九重町の有限会社九重ファームさんが生産しています。小手川豚トンポークのお取り扱いは現在ございません。

学問所ポークについては、第3回の記事の最後でご紹介しています。

小手川豚トンファーム(当時)

小手川豚トンポークを育てていた小手川豚トンファームは、大分県豊後大野市の犬飼町にあり、九州食肉学問所の本社から車で30分ほどの近さでした。家族経営の小さな農場ですが、おいしい豚肉をしっかりと生産していただいていました。小手川さんも、当店から自分たちの育てたお肉を定期的に購入して、ご自身でもご友人にも召し上がっていただいていたそうです。

三元交雑種(LWD)とは

農場の豚(母豚のLW)

三元交雑種とは、読んで字のごとく、3種類の豚を掛け合わせた雑種です。いわゆる「雑種強勢」を利用して、効率よくおいしい豚肉を生産しようというものです。

三元交雑種(LWD)のしくみ
  1. L(ランドレース、デンマーク原産)のメスに、W(大ヨークシャー、英国原産)のオスを掛け合わせると、LWが生まれます。
  2. このLWのメスに、D(デュロック種、アメリカ原産)のオスを掛け合わせます。
  3. そうして生まれた子豚がLWD、三元交雑種です。

これが、一般的にお肉屋さんで販売されている、いわゆる「白豚」です。

白豚と黒豚のちがい

黒豚(バークシャー種)

雑種である白豚とよく比べられるのが「黒豚」です。黒豚はバークシャー種の純粋種です。純粋種は雑種にくらべて飼育がとても難しいといわれています。1回に産む子豚の数が少なく、育つのも遅いためです。そのかわり、脂身の甘み、赤身のきめの細かさは絶品で、そのぶん高価になります。

白豚は逆に多産(1回に10〜15頭前後)で、育つのも早いので、低コストで生産できます。三元交雑種では、赤身がおいしいとされるデュロックを掛け合わせることで、おいしさも増しています。きちんと丁寧に育てられた白豚は、実においしいのです。

豚はこうして育てられる

母乳を飲む子豚
  • 母豚(ぼとん)のLWは、妊娠から4か月ほどで出産します。
  • 生まれた子豚(LWD)は、26日間ほど母乳で育てられます。生まれてまもないのに、人が近づくといっせいに小屋に逃げ込んだりします。
  • 子豚は生後1か月ほどで離乳します。離乳直後はミルクを与え、その後はとうもろこしなどを原料にした飼料で育てます。子豚と離れた母豚は、すぐに次の出産の準備に入ります。
  • 子豚は生後180日ほどで110kgほどに育ち、出荷されます。パッカーと呼ばれる業者を通して、お肉屋さんに届きます。
子豚
肥育中の豚

この記事は、九州肉屋.jpの連載「学問所通信」第9回(2014年9月)を、2026年に加筆・更新したものです。

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